車の鈑金フレーム修正機を使っての作業工程
フレーム修正機を使った作業
普通に生活をしている方には聞きなれない言葉かもしれませんが、フレーム修正という言葉があります。
大まかにいうと車の鈑金。
車の鈑金と言われてよく想像するのが、フェンダーの叩き出しやドア、クオーターパネルの修理が一般的だと思います。
その中でも、このフレーム修正はまた別次元の修理方法になってきます。
何枚もの鉄板(パネル)が重なり合ってるので、ただ引っ張るだけではパネルは硬いので損傷個所が伸びず、車ごと引っ張られてしまいます。
そこで必要になってくるのが、フレーム修正機という装置。
画像でいう、車の下にある黄色いやつで車を掴んで、鉄の棒、そして台に乗っけて地面に埋め込まれているレールに固定して車を動かなくしてから損傷個所を引っ張っていきます。
固定方法にもいろいろ種類があって、画像に写っている装置が床式と呼ばれています。
ほかにも台式やジグ式と呼ばれているものがあります。
新品でそろえると凄く高い…とっても…
それだけ厳密な測定も出来るわけですが…
長年にわたり使っているのは床式です。
これを使うにあたって注意すること、それは、地面が水平であること。
なんだ、そんなことか~(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
と思うかもしれませんが、直す車にとっては、とっても重要です。
水平になってなかったゆえに、地面から測定して寸法をしっかり出したのに、ボンネット、フェンダー、ドアなどの立て付けが合わなくなってしまうからです。
車の右側と左側の地面が5ミリ違っていたとすると、ボンネット、フェンダー、ライトの隙間、段差が左右で5ミリ違うことになります。単純に考えると…
もっと深いところまで行くと、エンジンマウントの取り付け位置、さらには足回り(ストラット、エンジンメンバー等々)寸法がずれるだけで支障をきたしてしまいます。
人間の手のひら、指はとっても繊細で左右1~2ミリの違いでも違和感を感じると思います。
もし、中古車を買うときはボンネット、フェンダー、ライトや、ドアとドアの隙間を見て撫でるように触ってみて、開けて閉めたり、違和感を感じたらアレっと思ってみては…
全部が全部、事故車ではないと思いますが、違和感のある車よりは気に入った車の方が後々買って良かったと思えるはずです。高い買い物ですので…
長くなりましたが、地面の水平の大事さです。
次に大事なのが、損傷個所そして車全体をチェック!!
ぶつかっている所に目がいきがちですが、今の車は中の人を守るため衝撃が一部分でも車全体に衝撃を分散させている構造になっているためです。
なので、左右スライドドア、左右フロントドアの開閉時の開け具合、閉まり具合、隙間、ルーフに歪みがないか等くまなくチェック。
確認後、大体どこらへんで交換しようかな~と思い描いてから作業開始。
修正機のタワーを使ってレバーブロックを使って引っ張ります。
引っ張って引っ張って車全体を見て確認、そして引っ張って引っ張って車全体を見て確認。
損傷個所を切って仮合わせ。
見る見るうちにいつもの車に戻っていきます。
ここまでくるまで、寸法測ってスポットもんで切って、そしてつけて…
いろんな工程が詰まってますが(;´∀`)
そして仮合わせ。
少しずつ完成に近ずいています。
仮合わせが完成したら、溶接、ベルトサンダーで削り、立て付けを確認しながら…
削り終わるころには全身が鉄の粉まみれになってしまいます(^^;)
エアーで飛ばしますが、家に帰ると鉄の匂いを家族から感知されるほどです(~_~;)
完成。
最終的に走行テストをして振動、ハンドルの操作具合、段差を超えての異音検査等々…
いろいろな項目のチェックの合格が出て完成になります。
(クオーターガラスを入れたばかりなのでガムテープが張ってあります)
車の鈑金にはこのような作業もあります。
乗っている車に愛着があり万が一事故を起こした場合でも直せる可能性がありますので、その時はお近くの鈑金屋さんへ相談してみてはいかがですか。
会社に次々、フレーム修正を必要としている車が入ってくるので前回りや、側面などの修理の様子も載せていきたいと思います。